日付: 2025年3月14日
長粒種米の価格動向
Source: USDA
インド
2024/25年度の生産量 は 1億4,500万トン に達すると予測され、前年比 5.2%増。過去最高の記録。収穫面積 は 5,000万ヘクタール(前年比 4.5%増)と、こちらも過去最高を記録。単収 は 4.35トン/ヘクタール(前年比 0.7%増)で、過去最高に達する見込み。政府は砕米の輸出禁止措置を解除 し、輸出促進を目指す。
タイ
タイ外国貿易局(DFT)およびタイ米輸出業者協会(TREA)は、2025年の輸出量を750万トン と予測。米生産量 は 前年比0.5%増 の 2,010万トン(2023-24年度:2,000万トン)。
収穫面積 は 1,070万ヘクタール(前年比 0.47%増)。政府は189億バーツ(約750億円)規模の農家支援策を発表。
ベトナム
2月末時点の輸出量:110万トン(輸出額:6億1,300万米ドル)。
収穫情報:
冬春(WS25)作の最盛期 は 3月中旬~4月下旬。平均単収 は 6.5~7.2トン/ヘクタール(前年同時期:6.7トン/ヘクタール)に増加見込み。
価格動向:
5% brokenの輸出価格 は 2月に1トンあたり399米ドル で、過去9年間で最安値を記録。
香り米(フレグラントライス):
価格は底値に近く、収穫後の回復が予想される。
- 供給
WS25の収穫最盛期で供給量が潤沢。インド政府が3月9日に100%砕米の輸出解禁。 - 需要
フィリピン・インドネシアが主な輸入国。インドネシアは2024年末時点で国内備蓄が十分 なため、輸入量を大幅に削減する可能性。フィリピンの需要はまだ顕在化せず。 - その他の外部要因
秋冬(AW24)作の販売圧力。タイ・カンボジア・インド産の競争が激化(KDM, Jasmine, DT8, OM18 など)。販売価格が生産コストと同等になってきていることから、ベトナム政府が米の最低価格を設定し介入を開始。現在の供給過剰にもかかわらず、大口需要と政府の介入により収穫後に価格が徐々に上昇する可能性。
ジャポニカ米:
香り米と同様に価格は下落傾向だが、供給量が少なく需要が強いため下落幅は小さい。
- 供給
中国が備蓄放出を見送る予定で、供給不足が発生。 - 需要
前年(35万トン)と同等か、それ以上 の見込み。タイはWS25収穫量の約半分を陸路で購入済み。アフリカ、フィリピン、マレーシアでジャポニカ米の消費が増加。供給不足と需要増加により、収穫後に価格が大幅上昇する見込み。
アメリカ(カリフォルニア)
日本からの強い需要があるものの、価格は安定。貯水量が十分で、2025年産の作付面積も問題ない見込み。
日本
国内の米価格が高騰 し、政府は国家備蓄米を市場に放出 する方針。それでも価格は依然として高水準(玄米ベースでUSD5,000/mt)。そのため輸入米需要が急増。主に米国・台湾・ベトナムからジャポニカ米を輸入。兼松は日本向け輸入ではトップシェア。
ミャンマー
2024-25年度の輸出量は200万トンの見込み。主要収穫期の出荷が始まり、第2四半期には価格が安定またはわずかに下落 する可能性。政府の価格規制により極端な価格高騰は回避される見通し。政治的不安定による物流の混乱が供給に影響を与える可能性あり。
その他のニュース
小麦・トウモロコシの価格上昇 により、消費者が米にシフトする可能性。米ドル高が米輸出を後押し。