従来、ジャポニカ米のみならず多くの米は表面の糠や不純物を取り除くために、炊飯前に水洗いが必要だった。兼松はベトナムにおいて初めて無洗米機を導入、ベトナム産無洗米ジャポニカ米の供給を開始しベトナムのみならず世界中で大きな注目を集めている。水を使わない精米方法を採用し、環境負荷へも配慮したサステイナブルな画期的無洗米製品である。
以下の写真や顕微鏡写真からもわかるように、無洗米は表面の糠層が取り除かれ、光沢があり「真珠」のような輝きがある。
無洗米は見た目の美しさだけでなく、その他の価値も消費者に提供することができる。
まず、炊飯のプロセスが非常に簡単である。無洗米に水を1:1.5~1.6の割合で加え約30分放置して吸水させたのち、炊飯器で炊くだけ。米を洗う手間が省けるため、一般家庭だけでなく、飲食店や食堂で導入すれば時短、省力化による経済的な効果は抜群である。
次に、環境負荷の観点で見ると、洗米水にはリン酸や窒素が多量に含まれており、下水処理設備が整っていない国や地域においては微生物の過剰繁殖によって河川や湖沼の水質汚染を引き起こしている。無洗米を活用して洗米水を排出しないことで、水質汚染レベルを低減できる。
最後に、米表面に残る米糠の劣化が進むと米自体が酸化し、タンパク質の構造と機能性に影響を与える(Fang Li, Xiaojuan Wu, Wei Wu, 2021)。表面の糠層をあらかじめ除去しておくことで、酸化を防ぎ、保存期間を延ばすだけでなく、長期にわたって品質を保つことができる。
Source:
Keiji Saika, Shaw Watanabe, Medical Rice: A New Wax-Free Brown Rice and its Protein Reduced Rice Original Research, 2017, Link: (PDF) Medical Rice: A New Wax-Free Brown Rice and its Protein Reduced Rice Original Research (researchgate.net)
Fang Li, Xiaojuan Wu, Wei Wu, Effects of protein oxidation induced by rice bran rancidity on the structure and functionality of rice bran glutelin, 2021, link: https://doi.org/10.1016/j.lwt.2021.111874